打ちあける*友人2
もう1人の友人にも打ちあけることにしたのですが、やっぱり勇気が出ない。
職場も同じ子だから、言おうと思えばいつでも言えるのに、毎日顔合わせるからこそ、言えない。
今まで旅行にご飯に一緒にいろんなことをしてきた。出会ってから遊びすぎて、会社の同僚とは思えないくらい。
これからもいっぱい遊びたいけど、しばらく無理できなくなるから言わないと!
初回の抗ガン剤治療の日が迫ってきて、もう時間がないと思った日、夜電話をすることにしました。
いつも通りドラマ見て、あーだこーだいって、その流れで。
電話だから、思ったより落ち着いて話すことが出来たし、ちゃんと言えてよかった。
電話の向こうで号泣している姿を想像すると心配でたまらなかったけど、早く治して旅行とかまた一緒に行きたいしね。
翌日会社で見た泣きはらした顔は、確実に私のせいだと分かった。
本当に見ていて辛かったけど、私のために泣いてくれるなんて、本当にありがたい。
絶対治してその時思いっきり一緒に笑うんだ!そのために頑張るんだ!
打ちあける*友人1
抗ガン剤治療を始めるにあたり、2人の友人には知っておいてもらおうと思いました。
2人ともとても大切で、絶対辛くなる今後を考えて、支えてほしいと思ったから。(絶対支えてくれるとも思ったし☻)
私の元気な時には、これからもご飯食べに行ったりしたいし、他の仲間との集まりを欠席するときのアリバイ作りにも協力してもらわなきゃって。笑
それでも言い出すのはかなり勇気が必要で、まずはLINEで話があると送ったものの、ひよってメッセージ削除する始末。
でも通知が消えてなくてバレてしまい、話聞くよと連絡が。
夜ご飯を食べに行ったけど、思ったより近くに人がいて言い出せない。どうしようどうしよう。
お店を出て、路地を歩きながら、思い切って言いました。
「落ち着いて聞いてほしいんだけど、私、病気なんだって。乳がんなんだって。」
あー言ってしまった、大丈夫かしら…
「えっ!!うそ!!でも治るよね!!なんかそんな気する!私にはそうとしか思えない!!だから泣かない!サポートする!
隠されないでよかった、一緒に頑張りたいから!言ってくれてありがとう!」
号泣するだろうな、悲しい思いさせるだろうな、なんて言ってあげよう、なんてずっと考えてた私。
その瞬間の友人の反応に救われました。
友人は私が思っているよりずっとずっと強い人でした。
大切な人に知っててもらえる安心感。
もっと早く相談していればよかったって思えるくらい、ほっとしました。
打ちあける*会社2
直属の上司に話した翌日、さらにその上の上司2名と面談の場を設け、今後のことについて話しました。
会社として出来るバックアップはすべてしてくれると言ってもらい、本当にこの会社で働いていてよかったと思いました。
絶対治さなきゃ!
早く戦力に戻らなきゃ!
と強く思いました。
面談の時、大の大人の男性が泣いていました。私のことが心配だって。
ごめんね、泣かせて。
(上司に向かって何たる口の聞き方。笑)
この上司とは、入社時期がほとんど同じで、ある意味同期のような変な連帯感があります。全然役職は違うんだけど。
(私はヒラですので…)
逆の立場なら、私も同じ気持ちになるから分かる。心配かけてごめんなさい。
でも治すから!って強く思いました。
打ちあける*会社1
抗ガン剤治療をやるかどうか、先生に言われて一晩泣いて決断しました。
もう腹くくろう、やるしかない。
カレンダーを確認して、3週間ごとの金曜にスケジュールを決めて、初回の予約をする。
もう初回予約してしまった、後には引けない、頑張ろう。
そしてここからは私が一番嫌だった周囲に打ちあけるというタスクが…
まずは家族に言うべきなんだろうけど、勇気が出ない。よって会社から言うことにしました。
上司との面談が毎週あるので、その時間で言うと決めて、いざ面談へ。
上司に打ちあける瞬間、涙が止まりません。人に伝えることで、私のガンは現実になってしまう。
今までどこか他人事というか、ガンなんだけど、リアリティが無かったことが、一気に現実になり。
私は人生で初めて、自分の命と向き合っていることを体感しました。
上司には、
*病気になってしまったこと
*ガンであること
*治療すれば治ること
*治療に半年くらいかかること
を伝えました。
上司は力強く、今一番やらなきゃいけないことは、治すことだから、仕事のことは何も心配しなくていいから、と言ってくれました。
抗ガン剤治療という決断
当初から抗ガン剤だけはやりたくないと、ずっと拒否し続けていました。
抗ガン剤=毒というイメージ、世間に流れる悪い印象。抗ガン剤に殺されるという言葉もよく聞きました。毒を持って毒を制すわけだから、普通の生活が送れなくなるものだという固定概念。
しかも周囲に隠して治療している私としては、抗ガン剤治療をする=周囲に話さなければいけない、となるわけで。
とにかく誰にも知られたくなかった私は拒否し続けていたわけです。
しかし、その日は突然やってくる。
先生に言われました。
「このままだと手術をしても全摘、そして術後化学療法をしなければならない。だったらせめて術前化学療法をやって、手術の範囲を小さくする可能性を探りませんか? あなたの安全のために言っているのです。
もし決心がついたら、いつからでも始められますから。次の予約からでも。」
もう目の前が真っ白。
どのみち化学療法をやらなければいけなくなってしまった。なんでこうなったんだろう。最初に切っちゃえばよかったのかな。選択肢の中に手術もあったはずだ。
どうしようどうしよう。
もう今までみたいに生きられない。
遊びに行けない、旅行も行けない。
家族に言わなきゃ、会社に言わなきゃ、決断しなきゃ、いろいろなことが頭の中をぐるぐる回って、その日の夜は久しぶりに泣きました。
TS-1
ホルモン療法にプラスして、本当に一瞬だけでしたが服用していたのがTS-1という内服薬。
同じように術前治療をしている人で、かなり効いた人がいるとかで薦められました。
毎日朝、晩の2回、食後に1錠服用するだけの内服薬です。
なお副作用は私は全くありませんでした。
通常胃ガンとかに使用される薬らしいのですが、稀に乳ガンに効く人もいるとのことで。
結論、私には全く効きませんでした!
ただ特に副作用とかも感じられなかったので、トライしたことは良かったと思います。
この薬ですが、とにかく高い!
1ヶ月分で12,000円くらいします…
ホルモン療法と併用だと月のコストが単純に倍になる…
そして用意していない調剤薬局が多く、取り寄せになることが多いです。
大体当日か翌日には手に入りますが、調剤薬局に何回も行かなきゃいけないのは面倒でした。
ただ本当に日常生活には全く影響が出ないので、この薬がもし効くのであれば、治療法としてはすごくいいなと思いました。
ホルモン療法
ホルモン療法というのは、ホルモン剤が効くタイプのガンに対して、エストロゲンの生成を抑えてガン細胞の増殖を抑えるという治療法です。
私のガンのタイプは、このホルモン療法が効くタイプとのことで、まずはここから始めてみようということになりました。
月に一度、リュープリンという注射を腕に打ち、タモキシフェンという内服薬を毎朝食後に飲むというもの。
注射は皮下注射です。
私はそんなに痛みを感じないけれど、痛がる人が多いとか。
注射した時よりも、注射後一週間くらい、打ったところが腫れるので、ちょっと痛いくらいかな。でも全然日常生活に支障なしです。
内服薬の副作用は、ホットフラッシュがあります。
強制的にエストロゲンの生成を止めるので、更年期障害のような状態になります。
もちろん生理も止まります。生理は2ヶ月目で止まりました。
ホットフラッシュは日に数回、突然頭が熱くなり、汗がドッと出る感じです。
その瞬間は動悸もすごいけれど、1分程度でおさまるので、じっと待てば大丈夫。
通常、ホルモン療法は術後の再発防止で行うようです。私は術前でもやってみたけれど。
なお費用は、月11,000円前後です。
月一の通院に注射、内服薬28日分となります。
今は治療法を抗ガン剤に切り替えたので、一時中止していますが、術後になったら再開すると思います。
術後5年は続けるとか…長い!!